エレアコなどのアコースティック系の楽器の、アンプやスピーカーから出る音を生音に近づける方法を調べていると、必ず出てくるのがPARA ACOUSTIC D.I.。
プロが使っているのもよく見かける、超定番のDI機能付きプリアンプですね。僕もエレアコやマンドリンに使おうと購入しました。
実際に使ってみると、PARA ACOUSTIC D.I.はツマミが多くてセッティングがちょっと難しいです。取説を見ればわかるんですが、いちいち持ち歩いていないので、調べたセッティングのコツなんかも含めて記事にまとめておこうと思います。
PARA ACOUSTIC D.I.の使い方
まずは前面右側の”GAIN”ツマミと、左側の”INVATE”ボタンについてです。GAINの設定について
PARA ACOUSTIC D.I.の性能を最大限に引き出すためには、GAINの設定が重要です。
GAINとは入力信号を使えるレベルにするための”増幅装置”で、これが低すぎるとノイズ、高すぎると音が割れたり歪む原因になります。
プリアンプ付きのアクティブ型のピックアップを搭載している楽器の場合は、ツマミを10時くらいに設定します。
パッシブ型の場合は、ピックアップによってかなり設定が違ってきます。
設定方法は、楽器とPARA ACOUSTIC D.I.を接続した状態で強めに弾いて、徐々にゲインを上げていきます。歪んだ音が出始める直前のポイントにセットすればOKです。
INVATEについて
このボタンを押すと「+」と「-」の位相が反転します。ボタンが出ているのが通常状態、ボタンを押すことで低域部のフィードバック(ハウリング)を抑えることができます。このスイッチで改善できないときはNOTCHコントロールを併用します。
また位相を切り替えると、他の楽器に音が埋もれることが無く効果的ですが、同時に楽器の音質も多少変わることに注意が必要です。
イコライザーについて
続いて上面のイコライザーのセッティングについてです。アコースティック系の楽器を自然な音に近づけるには、こちらの設定がとても重要です。

LOW:低域コントロール
85ヘルツをポイントとした重低音をコントロールします。
※耳で聞くよりも体感低音に近い低音の基礎。
NOTCH
98~247Hzをコントロールでき、2種類の使い方ができます。フィードバック(ハウリング)対策として使う
ハウリングしている時にその問題となっているの周波数をカットできます。
セットする方法は、”NOTCH”ツマミを「+」側最大まで回します。そして”A D G B”ツマミを回しながらハウリングが一番大きいポイントに合わせます。そのポイントで”NOTCH”ツマミを「−」方向に絞り込みます。
イコライザーとして使う
ツマミを”D”と”B"の間に(約200Hz)に設定し、ややカット気味にすればクリアな音作りができます。逆にややブーストすれば、薄い痩せた音のギターがよりアコースティックに近い暖かい音になります。
MID:中域コントロール
400Hz~1.6kHzのコントロール。
400Hz周辺をブーストすることでより暖かみのある音にでき、800Kz~1.6KHz帯域をカットすれば耳障りな中高音部を抑えることができます。
多くのアコースティックギターはアンプを通したときに1000Hzあたりの音が出すぎるので、”A”のポイントでややカット(3~6dB)するといいでしょう。PRES
5kHZ帯のコントロール。
“シュー"といったシンバルがなっている時の帯域。
TREB
10kHz帯のコントロール。いわゆる"エアー感"または凍りつくような高域をコントロール。
イコライザーセッティングのコツ
大音量になるほど人間の耳は中音域にとても敏感になり、耳障りに感じます。
そのためMIDなどの中帯域の音をバッサリカットするのが基本です。
そこから低音弦を一本鳴らし、LOWを中心に調整して生音とアンプから出た音を近づけていきます。
一本ずつ高音弦へと移っていきいきますが、それにつれてイコライザーのいじるところも少しずつHIGHよりになります。
この作業を繰り返して生音に近づけていきましょう。
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